サフィーアから例の手紙を見せられたシャールカーンは目を丸くした。

「本当か!?本当に本当に、これが母上の日記から!?」


(本当よ)


サフィーアがコクリと頷けば、風呂上がりで火照っていた彼はさらに興奮して身体を熱くさせた。

「でかしたサフィーア!」

最愛の妃を全身でギュウギュウ抱きしめる。


(きゃあ~!な、何!?)


喜んでくれたのは嬉しいが、ここまで熱烈なのは何故なのか。

イマイチぴんときていないサフィーアに、シャールカーンは早口で言った。

「まさか兄上の捜索が行われていたなんて…!これが事実なら報告書が存在するはずだ!それを見つければ真偽を確かめられる!」


ずっと第一王子はバスラにいたと主張しているアフマード。

報告書の内容と違っていたら偽者と証明できるわけだ。