とんでもない脅しを受けた後、謁見の間から王の居室へと移動したシャールカーンは信頼できる人間を集めて作戦会議を始めた。
もちろん、王位を譲る気などない。
なぜならば。
「あの男は兄上ではない。絶対違う!」
断言するシャールカーンを見て、カンマカーンが目を瞬かせた。
「違うのですか?」
「ダウール兄上は、あんな人ではなかった。あんなことを言う人では…!」
犯人扱いされたのを思い出して苦い表情をする。
そんなシャールカーンにカシェルダが無表情で言い聞かせた。
「あまり思い出の兄を美化するな。もしかしたら……お前の兄は、お前のことを憎んでいたかも知れないだろう?」
「そんなことっ!」
憎まれるようなことをした記憶はない。
しかし、気づかぬ内に幼かった自分が何か仕出かしていた可能性は捨てきれない。
それが原因で今、兄が復讐を企んでいるのだとしたら…。



