砂漠の夜の幻想奇談


「あいつ…!生きていたのか!?」

「シャールカーン王?どうしたんだい?」

ルームザーンからは背後になるため、マルザワーンの姿は見えない。

シャールカーンが広間の入口に潜む敵の存在を教えようとした瞬間だった。

刃をこちらに向けたマルザワーンが、勢いよく突進してきた。


「死、ねぇえ!!!!!ルームザーン!!!!」


「えっ?」


ルームザーンが振り返る。

何事かと周りの軍人達もマルザワーンに注目した。

「危ない!!避けろ!!」

シャールカーンが叫ぶ。


そして――。



「ぐあっ…!!」



腹部を、ひと突き。

剣の柄が肉に達する程、深く深く押し込まれた凶器。

血が溢れた。


「あっ…あ……っ!」

愕然となるルームザーン。