三人が降り立ったのは午後の日差しが照り付ける暑い砂漠のど真ん中だった。
左右、見渡す限り砂の丘。
サフィーアは初めて目にする光景に呆然となった。
「すごい…。これが砂漠なのね」
感動を孕んだ瞳で周囲を眺めていると、急にカシェルダが説教モード全開でしゃべり出した。
「姫!!なぜあのようなことを!?」
「か、カシェルダ…?」
「胡散臭いこいつを信用し、あまつさえ口づけるとは!もっと警戒心をお持ち下さい!」
「で、でも、兄上達への手がかりは見逃したくないわ。それにあの時、カシェルダが危なかったし…」
ダハナシュに攻撃されそうになっていたカシェルダを思い出し、しゅんとなる。
「確かに、そうでしたが…」
心配されて嬉しいような情けないような。
カシェルダは複雑な思いで姫を見つめた。



