砂漠の夜の幻想奇談


甥っ子の視線を受けて自分も剣を抜くと、ルームザーンは躊躇いなく切っ先を父王に向けた。

「父上、武器をお捨て下さい。貴方の負けです」

「くっ……」


一人、包囲された。

護衛兵は潰され、助けは望めない。


「わしを、捕らえるのか…?開城して…アフリドニオスに、引き渡すきか…」

「はい……」


アフリドニオス王に身柄を引き渡す。

それはつまり、死を意味する。

刃向かった国の王をアフリドニオス王は生かしておかないだろう。


「…処刑、されるのか…このわしが」


沈黙で肯定を示せば、ハルドビオス王は口角をつり上げた。



「ふっ……ふふふふふ、はーっはっはっはっはっ!!!!!」


腹の底から出る老将の笑いには、自嘲気味な響きが含まれていた。


ハルドビオス王は剣を持ち直す。


「すでに詰みならば!!」