砂漠の夜の幻想奇談


母親譲りの金髪に白い肌。

ほっそりとした面立ちもアブリザとの血の繋がりを感じさせる。


「そうか……。アブリザの息子…。バグダードの王か」

頷く代わりにシャールカーンは剣を抜いた。

その動作を目にし、ハルドビオス王は武人の顔でニヤリと笑む。


「わしとやり合うつもりか。面白い」


周りにいる兵士達に手を出すなと命じてからシャールカーンに刃を向ける。


「来いっ!!」

孫を相手に余裕の構えで「来い」と吠えるハルドビオス王。

シャールカーンは戦闘の興奮でゾクゾクしながら、遠慮なく先制攻撃に出た。

「はあっ!!」


この大きな獲物をどう追い詰めようか。

頭で冷静に考え、どんな動きも見逃さずにチャンスを探る。

シャールカーンの戦が始まった。



「姫、中に入っていて下さい」


(え?カシェルダ、ちょっ…!)


カシェルダがサフィーアとマリアムを部屋の中に押し込んだ。

安全のため。

そして、自分達は…。


「行けるか?ルステム」

「ああ…なんとかするさ」

シャールカーン達を囲む雑兵に狙いを定める。

自分達の体力が持つことを祈りながら、彼らも戦闘を開始した。