砂漠の夜の幻想奇談


「行かせるかっ!」

カシェルダが短剣を引き抜き、マルザワーンの背に放つ。


「ぐあっ!!!」


見事、刃はマルザワーンの背中に突き刺さった。

鮮血がジワリと滲み出、彼の身体が崩れる。


一瞬でマルザワーンを始末したカシェルダは、他の雑魚も同じように片付けた。


「お疲れ様」

全ての敵兵を床に転がした直後、シャールカーンが優秀な護衛官達に労いの言葉をかける。

「次はどう動く?」

横たわる兵士の服で三日月刀の血を拭き取りながらバグダードの王を見遣るカシェルダ。


「ハルドビオス王に会いに行くよ。王の寝室に行こう。今の時刻なら、多分そこだろう」


「……行く必要は、なさそうですよ」


ルステムが廊下の奥の暗闇を睨みながら進言した。

武器を構え直す。


「来ました」