砂漠の夜の幻想奇談


ルステムも気づいたようで、護衛官コンビは部屋の入口に近寄り、剣を抜いた。

「来る…!」


カシェルダの言葉にサフィーアとマリアムが息を呑み、他の男性陣も警戒態勢に入った瞬間。


「いるか!!ルームザーン!!」

突撃してくるかのようにドアが開き、マルザワーンが後ろに兵士達を引き連れて現れた。

「ルームザーン…!お前を裏切り者として捕らえ――」

部屋に一歩を足を踏み入れるも、ドアの付近にいたカシェルダに剣を突き付けられる。

マルザワーンは身体を硬直させた。

目だけをキョロキョロと動かし、部屋にいる顔触れを確認して叫ぶ。

「ひ、人質を解放したのか!!ルームザーン!やはりお前は裏切り者だ!!」

サフィーアの肩がビクリと震えた。


(私を助けたから!?)