砂漠の夜の幻想奇談



 妊娠していたことを知らされて一番仰天し、かつ焦ったのはルームザーンだった。

「妊娠!?そんなっ!!」

現在、彼の部屋で作戦会議中なのだが、なぜか話題が大きく逸れ、サフィーアの妊娠話に。

「そうとも知らず…私は、貴女にあんな無茶を強いて……!」

長時間の乗馬は身体に良くない。

バグダードからここまでの移動手段を思い出し、彼の顔色は真っ青になった。


「ど、どうしよう!流産してしまったら私のせいだ…!」


(落ち着いて王子!私は元気だから流産の心配はないと思うわ)


血の気が失せたルームザーンを周りの皆で元気づけるという、何とも奇妙な光景がここに。

帰る時にはサフィーアのために輿でも用意させようか、とシャールカーンが考えていた時だった。