砂漠の夜の幻想奇談


「しかし、君はなぜ閉じ込められているんだい?罪人か?」

「いえ…私は……その…」

シャールカーンの問いに口ごもる。


「別に答えたくなければいいよ。無理に聞き出そうとは思わない」

優しい声でそう言われ、マリアムは格子ごしにシャールカーンを見つめた。


「………私は……ルームザーン王子を、お慕いしているんです」

ゆっくりと語り出す。

「王子も…私を愛して下さいました。けれど、私はなんの身分もない、ただの町娘です。……私との仲を王様が強く反対されて……私は…処刑されることになったのです」

「処刑?君は生きているじゃないか」

「はい。処刑されるはずだった私を、マルザワーン王子がここへ連れて来て下さったんです」

「第一王子と言っていたな…。ならマルザワーンとやらはルームザーン王子の兄上か」