「え…?別人?」
目を見張りつつシャールカーンは彼女に近寄った。
ここには少女以外の人間は見当たらない。
マリアムと名乗った彼女はなぜか簡易的な造りの木格子の中にいた。
「君は、なぜこんなところに?」
シャールカーンの疑問に答えるべく、マリアムが恐る恐るその愛らしい口を開く。
「閉じ込められているのです。……貴方がたはマルザワーン王子の使いではないのですか…?」
「マルザワーン?誰だい?」
「カイサリアの第一王子です。王子を知らないなんて……それに、その衣装…。異国の方…?」
カイサリアではあまり見掛けないターバン姿に警戒心を抱く。
シャールカーンは少し考えてから、彼女に今の自分達の状況を話してみることにした。



