砂漠の夜の幻想奇談


チリリと松明の火が揺らめいた。

風に反応しているのだろうか。

この時ふと、ルステムは気づいた。

「通気孔ですよっ王様!」

「へ?いきなり、なんだい?」

「居住区なら常に空気が必要でしょう?通気孔が無数にあるから風の向きが一定しないんですよ!」

「ああ……成る程ね」


気づいたルステムには感心するが、知ったところで現状解決には繋がらない。

シャールカーンの表情は渋いまま。



いつの間にか二人は下り階段を進んでいた。

本当に辿り着けるのだろうか。

最悪の場合、村の教会にも戻れず、地下迷宮をずっとさ迷うことになる。

それを頭の片隅でちらっと考えた二人が微かに身震いした時だった。


「あ!!」


彼らは同時に声を上げた。

なんと、正面にある奥の部屋から明かりが漏れている。