砂漠の夜の幻想奇談



 さて、地下に入ったシャールカーンとルステムはどうなったのだろうか。

結論から言ってしまえば、二人は迷子になっていた。


「王様…ここは先程も通ったような…」

「うん……否定はしない。俺もそう思う」

けれど迷子になったなんて認めたくない。

二人は三叉路で足を止めた。

「おかしいな……こういう場合は風向きを読むと出口に辿り着くはずなんだけど…」

シャールカーンが頭を捻る。

松明をかざし、微かに吹いて来る風の方向を確かめようとするも、炎の揺らめきは一定しない。

「これでは、風は頼りになりませんね…」

ルステムが溜息をついた。


この地下洞窟はかなり規模が大きいようで、道がいくつも存在する。

最初は一本道だったのが、二本、三本と枝分かれしていき、とうとうシャールカーン達は方向感覚がわからなくなった。