砂漠の夜の幻想奇談


「ほう、使える兵士がいたものだ。良いだろう。わしが自ら相手になろう」

スラリと剣を抜くハルドビオス王。

カシェルダは得物を構え直すと、遠慮なく刃を振り上げた。


ガキンッと響く音は、サフィーアが嫌いな争いの音。

怖くなって耳を手で塞ごうとした時、その手を何者かに掴まれた。

「来い!!」

マルザワーンだった。


(きゃ!?痛い!!放して!!)


乱暴に拘束されて腕に痛みが走る。

そのまま無理矢理に廊下へ連れ出されたサフィーアは、必死で暴れながらカシェルダに手を伸ばした。


(カシェルダァア!!!!!!)


「っ!?姫!!」


気づいたカシェルダが助けに駆け寄ろうとするも。


「よそ見とは余裕だな!そなたの相手はわしだぞ!!」

「くっ!!」

頭上に振り下ろされた剣を三日月刀で受け止める。