砂漠の夜の幻想奇談


そう、この初老の男性こそカイサリアの王、ハルドビオスその人であった。

王はマルザワーンと似た意地の悪い笑みを浮かべ、話し出す。

「我が息子ルームザーンがバグダードの王妃を匿っているという噂があってな。確かめに来たわけだが…噂は真実のようだな。本当に女がいるとは」

次の瞬間、ハルドビオス王は叫んだ。


「女を捕らえよ!!」

「はっ!!」

命令に従い、兵達が一斉にサフィーアとカシェルダを取り囲む。

カシェルダは周りを睨みながら先制攻撃に出た。

サフィーアに近い敵から順に仕留めていく。

「はああっ!!」


三日月刀が舞う。


「ぐあっ!」


血も、刃の煌めきと共に踊った。


「てめぇ!!」

「死ね!!」

吠えながら襲い掛かってくる複数の敵。

そんな彼ら雑兵を、カシェルダはアッサリと斬り捨てた。

自分の血を一滴も流すことなく。