砂漠の夜の幻想奇談


シャールカーンが問うと、捕虜は慌てて跪いた。

「そ、それは、わかりません!なんせ、中には入ったことがありませんのでっ」

「入ったことがないのにこの道を知っているとは、おかしな話だな」

バハラマーン将軍が疑わしげに見つめると、捕虜はさらに身を低くした。

「俺はこの村の出です!ここに住んでる人間なら教会の秘密ルートはみんな知ってまさぁ!」

「ふむ……信じるとして、誰が行きますか?」

ムスタファ将軍の質問にはシャールカーンがいち早く答えた。

「俺が行く」

「な!?なりません!王様!貴方様にもしものことがあったら…!」

「そうですよ兄上!なんなら僕が行きます!」

ムスタファ将軍とカンマカーンに止められるも、自分が行くと決めたら耳を貸すシャールカーンではない。