砂漠の夜の幻想奇談


「なぜ話してくれないんだ?話したらカイサリアが不利になるのか?」

「敵に、話すことなんかなんもねぇ…!」

「そうか…」

フゥと溜息を吐き出すシャールカーンの横でバハラマーンがコソッと言った。

「強情な奴ですな。拷問しますか?」

「いや、そんなことをしても無意味だ。それよりも…」

シャールカーンは跪いている捕虜と目線を同じにした。

自分も膝をついて、しゃがみ込む。

「お前には護りたい者がいるか?」

「えっ?」

「俺には可愛い妃がいる。お前にも妻子がいるだろう?」

「あっ…まあ…」

「今はカイサリアの城内にいるんじゃないか?あそこは安全だろうからな。城の防御は完璧だ」

「あ、当たり前よっ!あの城壁はちょっと突いたくれーじゃ崩れねぇ」