砂漠の夜の幻想奇談




「ほい。こいつが一番詳しいってさ」

ミロンが捕虜の男性を地面に跪かせる。

男性は三十代くらいで、黒髪のトルコ人だった。


「聞きたいことがある」

穏やかな声でシャールカーンが話し出すと、男性はビクリと身体を震わせてから頭を振った。

「俺は、なんもしゃべらねぇ…!」

「この辺りの地下都市についてだ。知っているか?」

「知らねぇ!なんも…知らねぇ…!」

素直に話しそうにない捕虜を見て、ミロンが彼の背中を蹴りつけた。

「嘘つくな。他の捕虜達が言ってたよ。オマエが地下に繋がる入口を知ってるって」

「ひっ…!」

「やめろ、ミロン!!捕虜を蹴るな!」

シャールカーンの怒声にミロンは口を尖らせるも、一歩下がって謝罪した。

「スミマセンデシター。シャールカーン王様」

気持ちがこもっていないので少々腹立たしいが、今はミロンに構っている暇はない。