その頃、包囲組は痺れを切らしたシャールカーン王を中心に作戦会議の真っ最中だった。
「城内にいる人質を救出したい。何か良い案はあるか?」
シャールカーンは信頼のおける側近達を見回した。
「城内へ使者を送っては?」
まず意見を出したのはバハラマーン将軍だった。
「交渉か。まあ、それが一番無難な手なのだろうが…」
シャールカーンは腕を組み、唸る。
「怪しいんだ。これは俺の勘だが…ハルドビオス王は人質がいることを知らないような気がする…」
「失礼ですが王よ、なぜそのようなことを…?」
勘などと言い出したシャールカーンに訝しむムスタファ将軍。
シャールカーンは遠征前のルームザーンとの会話を思い出していた。
「人質を取ったのはルームザーン王子だ。彼はハルドビオス王とは違い、戦争反対派。それで意見が分かれ、仲が悪いらしい」



