砂漠の夜の幻想奇談



(そうね…)


頷いてからサフィーアはテーブルに近寄った。


(それにしても、知らなかったわ。カシェルダって好きな人がいるのね)


紙に書いて心の声を見せれば、護衛官は顔を真っ赤にさせた。

「えっ!?姫、な、なぜ、このような!?」


(あら?だって、さっき言ってたじゃない?“彼女が好きだから、身代わりなんていらない!!”って)


文にして教えてやればカシェルダはさらに耳まで赤くした。


「わ、私は勢いでこんなことを…!?」


(ねえねえ、カシェルダの好きな人って誰?教えて教えて!)


興味津々で書けば、護衛官は紙をグシャグシャにしてしまった。


「むむむ無理です!!お教えできません!絶対っ!」


(え~、ケチ!カシェルダのケチん坊さん!秘密主義者!)


「頬を膨らませても無理なものは無理です!答えませんからねっ」