砂漠の夜の幻想奇談


「………お前、どういうことだ?姫を身代わり…?本気で姫を好いているんじゃないのか?」

サフィーアが書いた紙を読んでルームザーンを睨む。

責めるような眼差しを受け、王子はカシェルダから気まずそうに視線をそらした。


「貴様っ…!!」


目をそらす行為。

それは「イエス」と言ったも同然。


カシェルダは剣を鞘におさめると、ルームザーンの頬をグーで殴った。

「っ…!!」

いきなりの先制攻撃をまともに喰らい、よろめくルームザーン。


(カシェルダ!?)


サフィーアは呆気。

そんな中、護衛官は吠える。


「貴様!!調子に乗るな!!姫を貴様の恋人の身代わりだと!?ふざけるなよ!?マリアムという女が好きならそいつだけ愛してろ!!俺は手に入らないからって身代わりが欲しいとは思わない!!彼女が好きだから、身代わりなんていらない!!」