砂漠の夜の幻想奇談



(待って!!!!)


サフィーアがカシェルダの腰に抱き着いた。

「姫!?」


(ヤメテ!カシェルダ!)


カシェルダの動きを止めてから、サフィーアは急いでテーブルにある紙と筆を持った。

サラサラと記す思いは、ルームザーンに対してハッキリと伝えたい言葉。


(王子!私は貴方が愛してるマリアムじゃないわ!貴方の恋人の身代わりにはなれないの!)


私はマリアムじゃない。

そう断言され、ルームザーンは悲しげに笑った。

「わかっているよ。わかっているけど……どうしようもなく、求めてしまうんだ。マリアムはもう……いないから」


(王子……)


どうすればいいのだろう。

どう説得すれば彼は諦めてくれるのだろうか。

筆をギュッと握り締め、必死に考える。