砂漠の夜の幻想奇談


「っ……!」

最もな意見のため返す言葉もない。

シャールカーンが冷静になろうとゆっくり息を吐き出した時、バハラマーン将軍の横を軍馬が駆け抜けた。

「カシェルダ…!?」

なんと、カシェルダが単騎でルームザーンを追いかけて行ってしまった。


「今はあやつに任せましょう」

どんどん小さくなるカシェルダを見つめ、バハラマーンが言う。

「カシェルダが行けば大丈夫っしょ。伊達に姫様の護衛官やってないよ」

近寄ってきたミロンも「これでいい」と意見した。


「そう、だな…」


少し落ち着きを取り戻したシャールカーン。

暴走を止めてくれたバハラマーンに感謝を述べていると、ムスタファ将軍から批判が飛んできた。

「王様、先程のご決断にはガッカリ致しましたぞ。王妃様を犠牲にしてでも敵を逃がすべきではございませんでした」