砂漠の夜の幻想奇談



 それから数日。

かなり無茶をして馬を走らせたため、サフィーア達はとうとうシャールカーンの軍に追いついた。

もう少し先に行けばカイサリアの軍と合流できる。

シャールカーン達の陣営を上手に避けてその地点を通り過ぎ、ルームザーンは兄がいるカイサリア陣営を目指した――のだが。


昼過ぎのこと。

とうとう両軍が動き出し、ルームザーンが到着する前に戦闘が始まってしまった。


「右翼前進!!左翼は回り込め!!」

戦場にシャールカーンの大声が飛ぶ。

「敵の右翼軍、もう散り散りですね」

「ああ。総司令官には統率力が欠けているようだ」

トルカシュと話しながらシャールカーンは中央軍にて戦況を注意深く観察した。


「敵の右翼を狙え!!雑兵を蹴散らして大将を囲むぞ!」