バルマキーから注意しろと言われていたので、いきなり窓から侵入してきた人物をサフィーアは刺客かと勘違いした。
慌てて傍に置いてある護身用の短剣を握ろうとしたら、聞き覚えのある声にビックリ。
「私だよ、私!」
(ルームザーン王子!?)
ホッと溜息を吐くと、サフィーアは警戒心を解いて窓辺に近寄った。
(どうしたの?)
忍び込んできた理由がわからず首を傾けると、ルームザーンはシャールカーンを思わせる唇で上品な笑みをつくった。
「驚かせてすまないね。体調はどう?医師に見てもらったんだろう?具合悪くなかった?」
(あ!王子は妊娠のこと知らないのよね…)
どこから秘密が漏れるかわからないのでサフィーアは黙っておくことにした。
テーブルに近づき、紙と筆でもって「体調は大丈夫。ご心配おかけしました」とだけ伝える。



