砂漠の夜の幻想奇談



 さて、武闘派男性陣の遠征中、バグダードの宮殿では待機組が楽しくお茶会をしていた。

メンバーはサフィーア、ファリザード、ルームザーン、それからバルマキー。

ドニヤが用意してくれたお菓子やシャーベットを食べながら、穏やかな午後を過ごす。


「バルマキー様。はい、あーんですの」

「いえ、それはご勘弁願います」

バルマキーの口に焼き菓子を運ぶも、丁重にお断りされる。

ファリザードはプクッと頬を膨らませた。

マズイ!機嫌を損ねてしまったか!とドキリとした彼は、どうにかして宥めようと色々言葉をかけてみる。

そんな二人を眺めてクスッと笑うのがサフィーアとルームザーンだ。


(あ、そういえば。ルームザーン王子にマリアムって方のこと、聞いてなかったわよね)


自分とよく似ているらしい女性の存在。

ふと思い出し、サフィーアは思いきって今、尋ねてみることにした。