砂漠の夜の幻想奇談


残るは右翼と左翼軍。

シャールカーンがまた唸り出した時だった。

「あっ、シャールカーン殿!カシェルダに会いたいのですが、どちらにいますか?」

今まで黙っていたテオドールが思い出したように早口で言った。

「カシェルダならサフィーアのところだから後宮だけど……何か言伝かい?」

「はい。今回の戦にカシェルダも参戦せよと、アフリドニオス王からの命令です」

やっとこさ暗記してきた台詞を声に出す。

シャールカーンは首を傾げた。

「参戦?あいつはサフィーアの護衛官だろう?」

「姫様の護衛係の前に、カシェルダも騎士団の一員だからさ。強いから余計に召集かかっちゃうわけ。ま、そんだけうちの王様もマジなんだよ」


ミロンがニヤリと不敵に笑う。