砂漠の夜の幻想奇談


不意に、肩をちょんちょんと叩かれた。

反応してバルマキーが恐る恐る顔を上げると――。


「私を愛してくれますの?」

しゃがみ込んで首を傾け、バルマキーと目線を同じにしたファリザードが目の前にいた。


「は、はいっ。努力致します」

「ふふふ、努力しなくてもいいですわ」

「え…?」

驚くバルマキーに対してファリザードは宣言した。

「バルマキー様が惚れちゃうくらいイイ女に私がなってみせるの。だからバルマキー様は何もしなくていいのです」

ファリザードの綺麗な微笑みに、バルマキーの胸がトクンと鳴った。

「姫…」

「ふふっ、プロポーズお受けしますわ。よろしくお願い致します。旦那様」

「だっ…!?気が早過ぎます!」

「えへへ、言ってみたかったんですもの」

無邪気なファリザードを見つめ、少し照れ臭そうにバルマキーは笑った。