砂漠の夜の幻想奇談


「うわっ!?」

近くで視線が合い、バルマキーがビクリと肩を震わせる。

「どうしましたの?バルマキー様、なんか変ですわ」

「あの……そのっ」

「ハッキリおっしゃって下さいな」

小動物を思わせるクリクリした目が、戸惑うバルマキーの瞳をしっかり見上げる。

バルマキーは観念したように声を上げた。


「わ、私と……結婚して下さい…!!」


悲鳴のようだった。

第三者が聞いたら、さぞや滑稽に感じられたことだろう。

しかし、ファリザードは笑わなかった。

逆に顔を青くしてこう言った。

「バルマキー様!熱ですわね!?お仕事が多忙で熱が出たのですわ!」

一世一代の告白を熱のせいにされてしまった。

なんとも虚しい。

バルマキーは耳を赤くさせながらファリザードの肩を掴んだ。

「熱ではございません!なかったことにしないで下さい!」