砂漠の夜の幻想奇談



(まさか、つれなくし過ぎて嫌われたのでは…!)


冷や汗が流れる。

せっかく決心したのに、姫の心は自分から離れてしまったのか。

焦ったバルマキーはとりあえず一礼してから、どう話を切り出そうか迷った。


「えと……その……本日はまことに、お日がらもよろしく……ファリザード姫におかれましては…ご機嫌麗しく、いらっしゃるようで…」


しどろ、もどろ。

バルマキーが何を言いたいのかサッパリ理解できない。

ファリザードは大きく首を傾げた。

「バルマキー様?何をおっしゃりたいのですか?」

「その……つまりは、ですね…」

視線がせわしなく動く。

言葉を考えているのか、少し俯いた。


「バルマキー様…」

様子が変なことに気づいたファリザードは思いきってバルマキーの傍に駆け寄り、下から顔を覗き込んだ。