砂漠の夜の幻想奇談


カシェルダが質問するとルームザーンは思い出したように手を打った。

「そうだ、部屋に戻ろうと思っていたんだよ。だけど見事に迷ってしまったようでね。広すぎないか?この宮殿」

嘘はついていないらしい王子の発言に、カシェルダは軽い溜息をついてから申し出た。

「なら、私がご案内致します。姫、申し訳ございませんが、しばしお傍を離れます」


(うん。案内よろしくね、カシェルダ)


カシェルダとルームザーンを見送り、作業を再開するサフィーア。


(でも、マリアムって誰なのかしら?)


自分と似ているらしい、その女性。

気になってしまったゆえ頭から離れない。


(今度王子に会ったら聞いてみようかな)