砂漠の夜の幻想奇談


「なっ、んっ!?」

無理矢理に唇を奪われ困惑する宦官奴隷。

アズィーザは気が済むまで貪ると、ようやく彼から離れた。

そして隣で呆然としている同僚にも同じようにキスを強要する。


(な、なな何をやって…!いきなりキスなんて!!)


サフィーアは羞恥で頬を赤らめ、アズィーザが刺客であることを一瞬忘れかけた。

「殺す」なんて物騒な発言をしていたから、てっきり刃物でも出すのかと思っていたのだが。

予想を裏切る彼女の行動に口をパクパクさせる。


その時だった。


「ぐっ、あがっ…!!」


キスをされた二人が急に喉を掻きむしり、苦しみ出した。


「うぐっ…あ゙!!」

床に崩れる彼らを、息を呑み眺める。


それから、五分と経たないうちに代理護衛官達は息を引き取った。