砂漠の夜の幻想奇談



 カシェルダが倒れてしまったため、サフィーアは一人で後宮に戻ってきた。

シャールカーンはまだ謁見の間でルームザーンと話をしている。

邪魔したら悪いし、自分がいる必要もないので一人戻ったわけだが、なぜか…。


「やっとか姫よ。待ちくたびれたぞ」


(ダハナシュ!?)


なぜかダハナシュが堂々と寛いでいた。

おそらくカシェルダがいると追い払われるから、今がチャンスとばかりに来たのだろう。


(ダメよ、ダハナシュ!ここは後宮なの。もし見つかったら怒られちゃうわ)


女性にも男性にもなれるダハナシュだが、今は男性の姿だ。

こんなところを後宮監督官なんかに見つかったらヤバ過ぎる。

サフィーアはダハナシュを引っ張って窓辺へ連れてきた。

そして、出てって下さいとジェスチャーで訴える。