「と、とりあえず、場所を移しましょう!あっ、ターバンをお返し下さい…!」
珍しく取り乱しながら、バルマキーはファリザードを謁見の間から追い立てた。
残った叔父、ルームザーンは呆れたように頭を抱え、また謝罪。
「申し訳ございません。とんだ我が儘娘で」
この時、やっとシャールカーンはショックから立ち直った。
「あ、いえ!そんな…。それよりルームザーン王子、貴方は俺の叔父上なのだから臣下のような言葉遣いはやめてほしい」
「え?よろしいので?」
「ああ。歳もあまり変わらないだろう?堅苦しいのはゴメンだ」
シャールカーンはおよそ二十歳。
対してルームザーンは二十五歳くらいだ。
「わかった。じゃあ、お言葉に甘えようかな」
ふわりと微笑むカイサリアの王子。
(雰囲気がシャールと、似てる…)
先程まで姫に気を取られていたサフィーアは、改めてルームザーンをじっくり眺めた。



