砂漠の夜の幻想奇談



 カイサリアの姫君は何とも愛くるしい少女だった。

年齢はサフィーアと同い年。

緩く波打つ茶髪のロングヘアーに、くりくりした青い瞳。

泣いても笑っても怒っても愛らしく見えるだろう顔立ち。


(か、可愛い…!)


思わず頭を撫でてあげたくなる衝動に駆られるサフィーア。

カイサリアの姫君には、小動物のような心くすぐる可愛らしさがあった。


「お初お目にかかります。シャールカーン王」

まず最初に挨拶したのは姫君ではなく、隣に控えていた従者だった。

「私はカイサリアの王子、ルームザーンと申します」

従者、ではなく王子だったようだ。

話を聞くと、彼は姪っ子の付き添いで一緒に来たらしい。

姪っ子とはもちろん姫君のこと。

「ご紹介致します。私の姪、ファリザードです」