砂漠の夜の幻想奇談



 それから数日。

後宮では妙なことが起こり出した。


(ドニヤが倒れた!?)


普段通り仕事をしていたドニヤが急に気分の悪さを訴え、倒れたらしい。

一緒に働いていたアズィーザから報告を受けたサフィーアは心配になった。


(何か、悪い病気かしら?)


体調不良のため、しばらく休むことになったドニヤ。

早く元気になってほしい。

そう両手を合わせ祈っていたサフィーアだったが…。



(聞いた?カシェルダ!最近、侍女達が体調不良でバタバタ倒れてるって!)


ドニヤが倒れてから三日。

連鎖反応よろしく次々と後宮の侍女達が体調不良を訴え出したのだ。


「はい、噂は耳にしております」

後宮の自室にてカシェルダと二人でおしゃべり。

紙に筆を走らせ、サフィーアは会話を続けた。


(流行り病かしら…?)


「いえ、後宮内のみの出来事らしいので、流行り病ではないと――うっ…」


(カシェルダ!?)


話している途中、いきなりカシェルダが吐き気を抑えるように俯いた。