後宮監督官の部屋ではカシェルダが必死に頼み込んでいた。
「お願い致します!私の出入りを許可して下さい!」
「何度言われてもな~。基本的に後宮への出入りが許されるのは宦官だけなんだよ。君、違うでしょ?」
監督官に問われ、カシェルダは怯んだ。
確かに、自分は宦官じゃない。
だがしかし。
「サフィーア様を護るのが私の務め!後宮に入れなかったら私は任務を全うできません!」
「そんなに入室許可が欲しいなら去勢手術してきなさい。ソッコーで許可してあげるから」
「……マジか」
究極の二択を迫られ冷や汗をかいていたカシェルダに救いが訪れたのはこの時だった。
「監督官!」
駆け込んできたのはシャールカーン王。
「これはこれは王様!そのように慌てなすって、如何なされましたか?」
荒い息を整えながらシャールカーンはカシェルダを指差した。
「ハァ、ハァ…そいつに、後宮出入りの許可をやってくれ」
「え?この男に許可をですか?」
「ああ」



