砂漠の夜の幻想奇談


「新しく入りました侍女です」

「アズィーザと申します。よろしくお願い致します」

黒髪にパッチリとした二重の眼。

顔立ちからしてインドやペルシャ系のようだ。

「新人なので、しばらく私と共に仕事をさせることにしました」

「そうか。わかったよ。覚えておこう」

あまり見知らぬ侍女をサフィーアの傍に置きたくはないが、ドニヤも一緒だし、まあ大丈夫だろう。

何かあれば護衛官にカシェルダもいる。

ここまで考えてシャールカーンはハッとした。

「忘れてた!サフィーアすまない!ちょっと行ってくるっ」


(シャール?)


慌てて部屋から飛び出すシャールカーン。

向かう先は、後宮の一切を取り仕切る後宮監督官がいる居室であった。