砂漠の夜の幻想奇談


「これが……先を読んだカシェルダが打った手か…。ハッ……恐ろしい男だね」

手際が良すぎて冷や汗が流れる。

「カシェルダは、貴方様を王にと望んでいます。それゆえの策です」

「……俺を…」


王位になど、こだわりはなかった。

自分でなくても良いと思っていた。

けれど――。


(皆が――多くの民が、俺を王にと望むなら…)


期待に応えなければ。

覚悟を決めたように、彼はグッと拳を握った。