砂漠の夜の幻想奇談


「た、大変です!!大変でございます!!!!」

バタバタと召使の奴隷達が数人、政務所に駆け込んできた。


「何です突然!無礼な!」

ゾバイダ王妃が反射的に怒鳴る。

すると奴隷達は手を床について礼をしながら慌てて報告した。


「王宮の庭に兵士達が大勢集まって、口々に叫んでおります!なんでも…シャールカーン王子の王位継承権を奪うなと…」

「何!?」

「それだけではございません!王宮の門前に多くの市民達が押し寄せています!皆が口にしている言葉は決まって、シャールカーン王子の王位継承権回復です…!」


「なっ!どういうことだ!?つい先程の決定を、なぜ市民達が知っている!?」

ゾバイダ王妃の疑問は最もだった。

これにはシャールカーン達も首を傾げる。

すると、奴隷の一人が再び声を上げた。

「シャールカーン王子!庭へ起こし下さい!市民も兵士達も、貴方様のお姿を拝見するまで解散しないと言っております!」