砂漠の夜の幻想奇談


「兄上、もう一度お聞きします。先程の言葉は、本心なのですか?」

偽りは許さないと語るカンマカーンの眼差しが真っ直ぐにシャールカーンを射抜く。

黙って弟を見つめていた彼だったが、徐に頷いた。


「ああ。本心だよ、カン」


それはカンマカーンが望んだ答えではなかった。


どうして兄はこんなことを言うのだろうか。

シャールカーンは弟の自分より実力も才もある。

なのに最初から諦めて、全て投げ出すような態度が許せない。

カンマカーンの拳がワナワナと震えた。

そして――。



パンッ!!と乾いた音が響いた。



「見損ないました!!!兄上!!」


怒りとやる瀬なさに瞳を潤ませ、シャールカーンの頬を平手打ちするカンマカーン。


「カ、ン……?」


「もういい!!兄上の気持ちなんて知りません!!僕が王になって、無理矢理にでも兄上の王位継承権を回復させてやる!!」

「なっ!?カン!?」


第三王子の発言に一同、口をあんぐり開けた時だった。