砂漠の夜の幻想奇談



 政務所には大臣や高官、それにゾバイダ王妃とカンマカーン王子がいた。

バルマキーを先頭に入室するシャールカーンとサフィーア。

三人が入ってきたのを見てゾバイダ王妃がニヤリと笑う。


「これはこれはシャールカーン王子。一足遅かったようですね。つい先程、貴方様の王位継承権剥奪が大臣方により決定致しましたよ」

勝ち誇った表情で語る王妃を睨むでもなく、シャールカーンは無表情。

何も反応を示さない王子に大臣ダンダーンが進み出た。

「申し訳ございません!あまりの処断に私は反対したのですが――」

深々と頭を下げるダンダーン。

バルマキーはシャールカーンにコソッと耳打ちした。

「賛成しなかったのは大臣の中で私の父のみでした。どうやら王妃様が裏で他の大臣達を買収したようです」