それから一人、王の暗殺計画を練ったカシェルダは準備を整えて時を定めた。
実行は夜。
後宮の寝室にいる王を刺殺し、傍にいるであろう側室の女を犯人に仕立て上げる。
王は毎夜、側室の一人と褥を共にするから偽犯人のでっちあげは上手くいくだろう。
(女には毒を飲ませ、自害に見せ掛ける)
王を刺殺した後、毒を呷り命を絶ったというシナリオだ。
二人も殺すことになるがカシェルダに躊躇いはなかった。
(もう何人も殺してきた。今更、迷いはない)
自分の両手は汚れきっている。
それに――。
(王を殺すことで、俺の復讐の一端は成就する)
復讐――否、野望と言った方が正しいかもしれない。
カシェルダは毒の入った小瓶をキュッと握り、足音なく回廊を歩き出した。



