砂漠の夜の幻想奇談


「上手くいくでしょうか。もし失敗なされたら貴方様が責めを負わされてしまいますよ」

どうやらバルマキーとの会話が続いているようだ。

「ならどうしろと!?」

「サフィーア様のことを王様にお伝えなさいませ」

「そして説得しろと…?」

「上手くいけば、そちらの方が穏便にことが運びます」

「説得に失敗したら…サフィーアはどうなる?」

「利用……されますでしょうな」

「っ…!やはりできぬ!俺はサフィーアを利用するつもりで妃にしたのではない!!」


シャールカーンの怒声を聞いて、カシェルダの頭にある考えが浮かんだ。


(シャールカーンが王になれば、戦争は起こらない)


彼はサフィーアが悲しむことを進んでしないだろう。

今の発言からしても、サフィーアを戦略に利用する気はないと見える。


(だが、シャールカーンを王にするためには…)


現王オマル・アル・ネマーンを退位させねばならない。


(いや、単なる退位では手緩い。オマル王には……崩御していただかないとな)


手っ取り早く、殺す。

時間はあまりない。

カシェルダはギュッと拳を握り締めると覚悟を決めた。


(俺が……オマル・アル・ネマーンを殺す!!)