「ノーズハトゥ、やっと来たか。遅かったではないか」
「母上…!」
向かい側の席を見れば母フェトナーが杯を傾けていた。
先に行くとは言っていたが、上座を陣取ってすでに酒まで飲んでいるとは。
「母上、お酒は控えめになさった方が…」
「なんとケチ臭いことを!今日は祝いぞ!このくらい許されるわ」
豪快にグビッと酒を飲み干す姿を見てノーズハトゥは説得を諦めた。
言って聞く母親ではない。
軽い溜息をついていると広間の入口から褐色の肌の青年が小走りでやって来た。
「ご歓談中、失礼致します」
(カシェルダ。どうしたの?)
首を傾げるサフィーアにカシェルダは跪いて申し上げる。
「警備兵の数が足りませんので、ノーズハトゥ様の護衛兵を数人お借りしたいのですが…」
「構いませんよ。ルステムを呼びましょう」



