砂漠の夜の幻想奇談


使い物にならなくなったテオドールの盾。

シャールカーンはこれをチャンスと見て槍を握り直した。

今のテオドールにはシャールカーンの攻めから我が身を護る術がない。

いける!と思った時だった。

ふとシャールカーンは右手の軽さに気がついた。

「あっ!!」

見れば自分の槍は真ん中からボッキリと折れており、半分の長さになっていた。

「しまった!さっきの突きで…!」

これでは槍を替えないといけない。


「ヤアッ!!」


掛け声と共にテオドールが馬に拍車を入れる。

「チッ!」

どうやらテオドールはシャールカーンに槍を替えさせる隙を与えたくないようだ。

盾がなくとも槍を構えて突き進んでくる。


「バルマキー!!」

シャールカーンは盾で攻撃を弾き返しながら従者を呼んだ。

「はい!!只今!」

新しい槍を持って競技場の中央へ走り出そうとするバルマキー。

しかし――。