一方、両軍の大将であるシャールカーンとテオドールはそれぞれかなり疲労していた。
槍が砕ける程の力をこめて何十回と衝突を繰り返しているのだ。
疲れるのは当然であり、鎧や兜の内側は汗でびっしょりだった。
「ハァ…ハァ……」
両者、息が上がる。
そろそろ体力も限界か。
疲れが前に出て膠着状態にある二人。
「ハッ!!」
先に動いたのはテオドールだった。
狙いを定め、槍がぶれないようにしっかりと握る。
「はああ!!」
シャールカーンを攻めた一撃は顎を狙ったものであったが、惜しくも黄金の獅子に阻まれ終わった。
「くっ…!」
盾で受け止めてグラリと上体が傾くも、シャールカーンは何とか耐えて槍を構える。
「うおおおっ!!!!」
獅子の咆哮。
熱い。
朦朧とし始める意識。
額に汗が流れる。
限界か。
否――負けられない。
負けてなるものか――!
「神よ!!我が手に勝利を!!!!」
シャールカーンの叫びに神が応えたのだろうか。
テオドールの盾に槍が激しくぶつかった瞬間、嫌な音を立てて盾に亀裂が走ったかと思うと一角獣の紋章が真っ二つに割れた。
「なっ!?」
盾が、割れた。
あまりの出来事に息を呑むテオドール。
シャールカーンも自分の為した事に驚いて目を見張る。



