シャールカーンの軍において、カシェルダの働きは見事なものだった。
彼は宣言通り雑魚を一手に引き受けた。
まず、数を減らすため自分よりも弱い騎士をさっさと落としていく。
シャールカーンの様子を気にしながら、大将の一騎打ちを邪魔する者あらばその馬の足を狙って槍を投げる。
槍の取り替えにカシェルダの従者は行ったり来たりと大変だ。
「落ちろカシェルダ!!」
そんな中、ミロンがカシェルダをターゲットに決めたようだ。
突き出された槍がカシェルダの肩に直撃する。
「ぐっ!!」
押し寄せる衝撃と痛み。
耐えながらもカシェルダは手綱をしっかり握ると、ミロンに体当たりを食らわした。
スピードを出している馬と馬が激しく衝突し合い、いななく。
「くっそ!危ね!」
「ミロン、貴様こそ落ちろ!!」
カシェルダの盾、黒き竜が迫る。
背に蝙蝠の翼が生えた漆黒の蛇は、悪魔の象徴か。
一瞬ミロンが怯んだのはその悪魔を見たためか。
――わからない。
確かなことは、カシェルダの盾がミロンの上半身を勢いよく後方へ吹っ飛ばしたということだ。



