それからミロンとトルカシュが対戦した。
やはりと言うべきか、勝利を手にしたのは試合慣れしているミロンだった。
「ああ~!投げたい!!俺、槍投げなら得意なんです!」
とは負けたトルカシュの言い訳。
確かに彼は槍投げなら大得意である。
過去の実戦では、敵軍から飛んできた槍をハシッと掴んでシャールカーンを護ったこともあった。
「なあ、カシェルダ。投げたらダメか?」
「別にルール違反ではないが、自分の武器がなくなるぞ。次の槍を持つ前に突き落とされてもいいならやってみろ」
何とも厳しい言葉が返ってきた。
ガックリとうなだれるトルカシュ。
無駄話をしている間にも一騎打ちは続いており、全員が終了したのはもうすぐお昼時という時刻だった。
これから団体戦に入るわけだが、その前に少しばかり休憩タイムが設けられる。
騎士達はこの間に軽く食事を取ったりしてコンディションを整えるのだ。
「おい、ちょっといいか」
パンを食べていたらカシェルダに呼ばれ、シャールカーンが振り返る。
「なんだい?」
「団体戦、さっさとけりを付けたい」
「それで?」
「お前はテオドールと一騎打ちに持ち込め。敵の大将を落とした時点でこちらの勝利が決まる」
「それはつまり、テオドールを落とせば自軍が俺一人になったとしても俺の勝ちってこと?」
「そうだ」
カシェルダは真剣な表情で頷いた。
「周りの雑魚は俺が引き受ける。だからお前はテオドールにだけ集中しろ」
「そうか。なら遠慮なく、そうさせてもらおう」
周りを気にせず先程の一騎打ちの続きをやりたい。
シャールカーンは願ってもないカシェルダの申し出に満足げな表情を見せた。



