砂漠の夜の幻想奇談


審判の指示により角笛が鳴る。

「なんだ!?」

突然の出来事にシャールカーンは動きを止めた。

テオドールも気づいたようで、槍の先を地面に向ける。


「この勝負、引き分けとする!!」


カムルトスの大声が場内に響き渡った。


「引き分け!?」

納得いかないと顔をしかめたのはシャールカーンだけではなかった。

兜を脱いだテオドールも同じように不満を顔に表している。

だが、審判の判定は絶対。

しかもカムルトスは騎士団長。

武人として尊敬する団長に抗議するなどという考えが、真面目な部下のテオドールに浮かぶはずもなかった。

不満は残るが「これでいいのだ」と自分に言い聞かせ、シャールカーンに一礼してから自軍に戻っていく。

こうなってしまったらシャールカーンも戻らなければ。


「ハァ…仕方ないか」

渋々ジェドラーンを歩かせる。

「団体戦が楽しみだね」